本コラムをご覧いただきありがとうございます。代表の田村です。
過去3回にわたってお送りしてきた信用金庫の仕事のお話ですが、今回で営業編を締めくくりたいと思います。ここまでが私の最初の店舗でのお話で、次回以降は2店舗目での融資のお話に入っていく予定です。 外回りを始めてしばらくすると、仕事にも慣れてきてある程度好き勝手やらせてもらっていたこともあり、体力的にはハードでしたがまさにその時にしかできない仕事でしたし、良い経験をさせてもらったなと思います。
20代も後半に入り、自らのキャリアへの不安を抱えながら必死に働いていた当時のことを、つい先日のことのように思い出します。そういえば結婚したのもこの頃でした。
【当時の仕事内容 – 営業編_③新規開拓営業(後編)】
さて、前回新規開拓営業の流れをご説明しましたが、どのようなお客さんがいてどのようなニーズがあったのかを、具体的なエピソードを交えながら共有したいと思います。
まず頭に浮かんだのは、新規開拓で初めて成約いただいたKさんです。オートロック付きのマンションだったんですがどういう訳だか中に入れて(理由は覚えていません)、挨拶するや否や「学費用のローンってありますか?」と聞かれたことから始まりました。確か金額は50万円くらいだったかと思いますが、割とすんなりパッケージの商品の審査を経てご利用いただきました。その後、例の定期積金をやってもらいながらしばらく定期的に通っていて、Kさんの引っ越しに伴い担当地区が変わってしまい、別のおじさん担当者に引き継いだ記憶があります。なんてことのない話ですが、やはり自分で見つけた最初のお客さんということで、今でもKさんの顔や話し方等々は鮮明に覚えています。
それからは担当エリアの隅から隅まで覚えるほど歩きまくって、ガシガシ新規のお客さんを見つけていきました。当時配属されていた店舗の地域的な特性もあり、法人(個人事業主含む)だと飲食店やマンションの一室で営業しているような小規模なIT系のお客さんが多かった気がします。飲食もITも基本的に融資ニーズは限定的なので、まずは定期積金を始めてもらうことがほとんどでしたが、中には「ちょうど新規出店を考えていた」というような方もいて、すぐに融資の話になるパターンもありましたね。
そんなこんなで、担当エリアをとにかく周りまくるというシンプルな作戦を実行し、順調にお客さんを増やしていったわけですが、この時の学びは今でも間違いなく私の行動に影響を及ぼしています。
具体的には、「結果を出したかったら行動量を増やすしかない」という考え方が脳にインストールされたことです。逆に言えば、凡人でも行動さえすればある程度の成果は得られると思えたということですね。やり方や進む方向を間違えていることもあるのは当然ですが、そんなことは走りながら考えれば良いと思っていますし、当時はもっと短絡的な発想で生きていた気がします(笑)
ここまで書いてふと思ったんですが、エリアが狭すぎるだとか商品がほとんどないとか色々言ってきたものの、実は結構その感じを楽しんでいたっぽいですね。あとは、お客さんからお知り合いを紹介してもらうこともそこそこあり、金融機関ならではの「出会えるお客さんの幅広さ」を実感でき、当時はむしろ物足りなさを感じていたくらいでしたが、今となってはとても貴重な時間だったと思えます。
さて、次回からは次の支店に舞台を移し、融資の現場の様子を書いていく予定です。やはり融資が地域金融機関の仕事の醍醐味ですし、次のキャリアへの架け橋にもなったのは間違いなく、少しでも読み物として楽しんでいただければ嬉しい限りです。
最後までお読みいただきありがとうございました!